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ヴァネッサ・ワーグナー
独自の道を歩む音楽家、ヴァネッサ・ワーグナーは、感性ゆたかで思慮深い演奏
と、多彩な音色を持ち味とする。フォルテピアノを用いたプロジェクトから現代音
楽の演奏にいたるまで、幅広いレパートリーを背景に、多岐にわたる芸術活動を展
開。パスカル・デュサパンやフランソワ・メイムンら同時代の作曲家たちからは、
幾つもの新作を捧げられている。
パリ国立高等音楽院でドミニク・メルレに師事。1等賞を獲得して卒業後、同院の
大学院課程ではジャン=フランソワ・エッセールのもとで学んだ。のちにはコモ(イ
タリア)のカデナビアのアカデミーにて、レオン・フライシャー、ドミトリー・バ
シキーロフ、マレイ・ペライア、フー・ツォン、アレクシス・ワイセンベルクら、
錚々たる音楽家たちからも指導を受けている。
1999
年、ヴィクトワール・ド・ラ・ミュジーク(フランス)の「年間最優秀新人器
楽奏者」にノミネートされた。以来ソリストとして、世界的なオーケストラや指揮
者と共演を重ねている。
室内楽奏者としても引く手あまたのワーグナーは、しばしば親しい演奏家たちと公
演を行っている。とりわけ、オーギュスタン・デュメイ、ピアニストのマリー・ヴ
ェルムラン、セドリック・ティベルギアン、ウィレム・ラチュウミア、電子音楽家
として名高いムルコフと共演。
現在、シャンボール音楽祭の芸術監督。フランス共和国芸術文化勲章“シュヴァリ
エ”を受章。
ヴァネッサ・ワーグナー