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ヨハネス・ブラームス_ピアノ独奏曲全集
21曲から成る《ハンガリー舞曲集》もまた、長
期にわたり(1852年~1869年)作曲された。
まず4手のためのピアノ作品として書かれ、後
に最初の10曲がピアノ独奏用に編曲されてい
る。これらの舞曲もまた、若きブラームスをハ
ンガリーの民俗音楽へといざなったレメーニ
との思い出に繋がっている。《ハンガリー舞曲
集》を、単に伝統音楽の編曲とみなしたブラー
ムスは、これに作品番号を振らなかった(とは
いえ第11、14、16番の主題は自作だろう。)そ
れでも曲集はブラームスに国際的な人気をも
たらし、金銭的な面でも彼の助けとなった。