

実際、ピアノ音楽はフォーレの創作の中核を成し
ていた。彼はピアノのために数多くの曲集を手がけ
ており、代表的なものに、13曲の《夜想曲》、13曲の
《舟歌》、8曲の《小品》、5曲の《即興曲》がある。と
りわけ私たちの関心を引くのは、彼が残した多数
の室内楽曲のほぼすべてにピアノが用いられてい
る点だ。2つの《ヴァイオリン・ソナタ》、2つの《チェ
ロ・ソナタ》、《ピアノ三重奏曲》、2つの《ピアノ四重
奏曲》、2つの《ピアノ五重奏曲》……。唯一の例外
は、最晩年の《弦楽四重奏曲》である。
フィリップ・カサール
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