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マヌエル・デ・ファリャ

極めて急進的な《ベティカ地方の幻想曲》を、20世紀に書かれた

ピアノ音楽としてどのように捉えていますか?

バルトークと同じく、ファリャは種々の民俗音楽の要素を用いなが

ら、これらを超越しました。こうした側面こそ、《ベティカ地方の幻想

曲》やヴィラ=ロボスの幾つかの作品が私を魅了する所以です。

楽曲の基礎となる素材を、さらに発展させていくという発想が、私

の心をとらえるのです。《ベティカ地方の幻想曲》の極めて粗い音

楽言語は、ヴィラ=ロボスの《野生の詩》のそれに喩えられます。

そういえばこの

2

曲は、いずれもルービンシュタインに献呈されて

いますね。さらに

2

人の作曲家は、独特の文化的アイデンティティ

に根を張る音楽言語を駆使しつつ、普遍的な作品を生み出して

もいます。