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今回のプログラムでドイツの作曲家による二つ目の曲は、ブラームスのワルツ作品

39

ら、第

15

番ですね。

A.C. :

これは作品

39

の中で最も知られた曲です。この音楽はウィーンそのものです。それ

はそうと、作品

39

がそれほど全曲演奏されないのは残念に思います。なぜそうなのかは、

ルービンシュタインが言った「フォルティシモで終わる曲を皆好んで弾く」という言葉の中に

おそらく答えを見つけることができると思います。つまり、拍手が欲しいということです。

あなたの録音には、

1960

年代からすでにグリーグの名前が見られますが、『叙情小曲集』

全曲を録音されたのは最近になってからのことです。この作曲家とはどのような関係を

保っておられますか。

A.C. :

グリーグはとても心にかけている作曲家です。この小柄な男性に優しい気持ちを抱

いているのは私一人ではないでしょう。ノルウェー王からスタインウェイのピアノを贈られたと

きに撮影した写真を、ベルゲンの彼の生家で見たことが思い出されます。グリーグは驚くほ

どきれいな目をしていました。ここでは『叙情小曲集』の最終曲である「思い出」作品

71-7

選びました。これは、最初の『叙情小曲集』作品

12

の第

1

曲「アリエッタ」のメロディーを、憂愁

を込めて思い起こしているワルツです。この曲のあと、グリーグは〔曲集の〕扉を閉じてしまう

のです。

アルド・チッコリーニ