

31
今回のプログラムでドイツの作曲家による二つ目の曲は、ブラームスのワルツ作品
39
か
ら、第
15
番ですね。
A.C. :
これは作品
39
の中で最も知られた曲です。この音楽はウィーンそのものです。それ
はそうと、作品
39
がそれほど全曲演奏されないのは残念に思います。なぜそうなのかは、
ルービンシュタインが言った「フォルティシモで終わる曲を皆好んで弾く」という言葉の中に
おそらく答えを見つけることができると思います。つまり、拍手が欲しいということです。
あなたの録音には、
1960
年代からすでにグリーグの名前が見られますが、『叙情小曲集』
全曲を録音されたのは最近になってからのことです。この作曲家とはどのような関係を
保っておられますか。
A.C. :
グリーグはとても心にかけている作曲家です。この小柄な男性に優しい気持ちを抱
いているのは私一人ではないでしょう。ノルウェー王からスタインウェイのピアノを贈られたと
きに撮影した写真を、ベルゲンの彼の生家で見たことが思い出されます。グリーグは驚くほ
どきれいな目をしていました。ここでは『叙情小曲集』の最終曲である「思い出」作品
71-7
を
選びました。これは、最初の『叙情小曲集』作品
12
の第
1
曲「アリエッタ」のメロディーを、憂愁
を込めて思い起こしているワルツです。この曲のあと、グリーグは〔曲集の〕扉を閉じてしまう
のです。
アルド・チッコリーニ