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ポロネーズの起源とは何なのだろうか?しばしば行進曲も

兼ねた4分の3拍子の舞踊で、歌われることもあった。田舎

の農民の音楽から生まれたポロネーズは、様々なテーマや

用途に応じた広いレパートリーを誇り、公の儀式でも私的

な祝いの場でも演奏された。そして17世紀以降、純粋に実

用的な音楽という立場から解放されていく――J.S.バッハ

は《フランス組曲第6番BWV 817》でポロネーズを採用し

た。C.P.E.バッハがチェンバロのために書いた幾つものポ

ロネーズは、啓蒙主義の、つまり前ロマン派的な想像性の

産物だった。ポロネーズは、華麗かつ抒情的な性格と、舞

踊であり物語であるという様式を確立していく。そして、あ

る種のエキゾチズムを音楽的な特徴としながら、テレマン

やハイドンらを魅了することになる。ベートーヴェンもまた、

《ピアノ、ヴァイオリン、チェロのための協奏曲》(三重協奏

曲)の終楽章で、陽気な効果を狙っただけとはいえ、ポロネ

ーズを称えた。