

ターリヒ弦楽四重奏団
ヤン・ターリヒ 第一バイオリン アントニオ・ストラディヴァリ
(1739)
/ジュゼッペ・ガリアーノ
(1780)
ペートル・プラウゼ 第二バイオリン フランチェスコ・ルジェーリ
(1694)
ウラディミール・ブカチュ ビオラ サンティ・ラヴァッツァ/ロレンツォ・ガダニーニ
(1725/1775)
ぺーテル・プラウゼ チェロ
ジョヴァンニ・グランチーノ
(1710)
ターリヒ弦楽四重奏団は
40
年に亘ってチェコの著名な音楽家の系譜を受け継ぎながら発展してきた。
「 ターリ ヒ 」 という名を聞く時、スメタナやプラハの人々の心のふるさとであるモルダウ川の川辺が
思い起こされる。弦楽四重奏団の創設者、ヤン・ターリヒは、
1919
年から
39
年にかけて、プラハに本拠を置く
チ ェ コ ・ フ ィ ル ハ ー モ ニ ー 管 弦 楽 団 の 首 席 指 揮 者 を 務 め た ヴ ァ ー ツ ラ フ ・ タ ー リ ヒ
の甥だった。ヴァーツラフがこのオーケストラを最高峰にのしあげるのだが、彼がじっくりと育てた果実は、その
後、カレル・アンチェルが見事に収穫するのである。
1997
年、ターリヒ家で最も若いヤン・ターリヒ・ジュニアが、有能な音楽家を集めた弦楽四重奏団を父から受け
継いでから、四重奏団の未来は彼らの双肩にかかることになるのだが、その未来は、伝統を無視しては開けな
いものである。
新メンバーは、かつてのメンバーが
40
年という時間をかけて世に知らしめてきた独自の様式、アプローチ、音
楽哲学を引き継ぎ、より豊かな実を実らせ続けている。若い音楽家たちにとって、これは大きなチャンスであり、
同時に挑戦でもある。その結果、軽快なトーン、自然な表現、予測不可能に近いアクセント、先輩たちの演奏
の特徴だった生まれつきとも言える大衆音楽へのセンスなどを生みだすことに成功しているのである。
新・ターリヒ弦楽四重奏団は、そのロマン的な感性によくマッチするメンデルスゾーンを録音するなど、即座
にかつてのターリヒと一線を画したが、その後、ドヴォルザーク、ヤナーチェク、スメタナなどにも取り組んでいる。
彼らはすばやく「新星」ターリヒ弦楽四重奏団をつくりあげた。弦楽四重奏団の一員になることは、個人的にも、
確固たる未来計画を伴う大変な努力を要する大仕事である。団員の変更には、時には痛みが伴うものだが、今
日では、新しい4人のメンバーは独自のスタイルを築いている。
ターリヒ弦楽四重奏団は、新レーベル、ドルチェ・ヴォルタ(販売/アルモニア・ムンディ)で録音を続けている。
同レーベルは、かつて名を馳せたレーベル「カリオプ」の全カタログを買い取っている。
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