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メンデルスゾーン
チェロ・ピアノ作品集
A.C.
今回録音されたメンデルスゾーンの
CD
の由来について教えて
下さい。
D.S.
私たちは二人ともメンデルスゾーンの音楽を深く愛していて、二人とも、こ
の作曲家の作品の大部分が過小評価され過ぎているという意見を持っています。
ずいぶん前のことですが、かつて、ルーヴル美術館のオーディトリアムで、この
CD
にあるほとんど全曲を演奏したことがあります。この時から、メンデルスゾーンの音
楽は私たちに欠かせなくなっています。彼のソナタは、第
1
番でも第
2
番でも、よく
喜んで弾いています。
G.H.
一部の人が、メンデルスゾーンを「二流」の作曲家とみなしていることが、私
には全く理解できません。私にとってメンデルスゾーンは、シューマン、バッハ、ベ
ートーヴェン、モーツァルトと同等の、しかし決してそれ以下ではない、最高峰の作
曲家の一人なのです。それだけです。第
2
番のソナタを除いて、若いチェリストた
ちは彼の作品を知らなさすぎます。ダヴィッドにとっても私にとっても、昔からともに
「体験」し、定期的に演奏会で弾いてきた音楽を、
CD
として録音できたことは、大き
な幸運でした。
A.C.
メンデルスゾーンはチェリストではありませんでしたが、総合
的に言って、彼の音楽はチェロにしっくり来るものですか。
G.H.
彼の音楽はチェロに完璧に適した書法で書かれており、弾きながら身体的
な喜びさえ感じられるほどです。すべての作曲家の作品にこのような喜びを得られ
るわけではないのです。音楽の響きもすばらしく、チェロが全面に押し出されていま
す。彼の音楽のベースである叙情性も、チェロに素晴らしくマッチしています。