

フィリップ・カサール
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ジャック・メルシエ
ロレーヌ国立管弦楽団 音楽監督・常任指揮者
パリ国立高等音楽院を審査員満場一致の1等賞を得て卒業。ブザンソン国際指揮者コンク
ール優勝。
パリ・オペラ座とアンサンブル・アンテルコンタンポランでピエール・ブーレーズのアシスタン
トを務め、ヘルベルト・フォン・カラヤンからも豊富な助言を受けた。その後、瞬く間に国際
的なキャリアを展開したメルシエは、パリ管弦楽団、フランス国立管弦楽団、ロンドン交響楽
団、スイス・ロマンド管弦楽団など、世界屈指のオーケストラに客演している。
ベルリンで“卓越した指揮者”と称えられたメルシエは、これまでザルツブルク音楽祭のほ
か、ソウル、モントリオール、京都、ヘルシンキなどで舞台に立っている。マドリードで行った
公演の評では、“同世代中もっとも優れたフランスおよびヨーロッパ出身の指揮者のひとり”
と絶賛された。
1982
年から
2002
年まで、イル・ド・フランス国立管弦楽団の芸術監督ならびに常任指揮者
を任された。
またメルシエは
7
年のあいだ、常任指揮者としてフィンランドのトゥルク・フィルハーモニー管
弦楽団を率いた。この間、シベリウスを始めとする北欧の作曲家たちの作品解釈を深める
決定的な経験を積み、この地域のレパートリーを母国フランスに届けることに力を入れるよ
うになった。とはいえ、メルシエの的確かつ厳密な指揮と、洗練や鋭敏な感性を特徴とする
スタイルは、
19
・
20
世紀から今日までのフランス音楽において、もっとも鮮やかに発揮され
る。とりわけ現代作品を熱心に取り上げているメルシエは、ヤニス・クセナキス、ルイス・デ・
パブロ、フィリップ・マヌリ、ヴォルフガング・リーム、マルティン・マタロン、パスカル・デュサ
パンの新作の初演を任されている。
オペラ指揮でも定評があり、とりわけ《カルメン》《ファウスト》《ベアトリスとベネディクト》《ラク
メ》《真珠採り》などのフランス作品を得意としている。