LDV153

サロメ・ジョルダニア 37 レコーディングとコンサートは、それほど違うのですか? そうです。レコーディングというものが、コンサートでの生演奏や日々の練習といかに異な るのか、以前の私は全く分かっていませんでした。スタジオでは、自分の能力をつねに100 パーセント出し続けなければなりません。ある時など、肉体が「燃え上がっている」ような感 覚さえ抱きました。 本盤のプログラムの中央には、カイヤ・サーリアホの《ピアノのための前奏曲》が置かれて います。出口の見当たらない未知の小道に迷い込んでしまったかのような印象を与える、 実に神秘的な小品です。なぜ、この曲を選ばれたのですか? 私は、この曲をこよなく愛しています。本盤の中で最も宇宙的な曲であることは確かです。 サーリアホが生み出そうとしている色彩は、別世界からやってきたかのようです。リストの 《ロ短調ソナタ》と同様、この前奏曲では何もかもが結論に達しません。すべては未知なるも の、あるいは虚空へと開かれたままで、終止符は打たれません。この曲には深淵の気配が 宿っています。私は、リストのソナタの世界へと足を踏み入れる前に、この「虚空」の感覚を 必要としたのです。

RkJQdWJsaXNoZXIy OTAwOTQx