47 グザヴィエ・フィリップス | ローザンヌ・ソロイスツ これまで数多くの学びを授けられてきたグザヴィエにとって、教育活動は、演奏活動と切り 離せないものである。「他者に関心を寄せ、自己の外に目を向け、“与え”なければなりませ ん」と、グザヴィエは言う。ローザンヌ高等音楽院シオン校で、彼の生徒たちは、音楽におい て“いかさま”は許されないことを学ぶ。それは情熱と真実にかかわるものだ。「私たちは、楽 譜に書かれている通りに、しかし何よりも作曲家が想い描いた通りに演奏し、音楽作品を 尊重すべきなのです」と、彼は述べている。それこそが、彼の演奏者としての使命であり、彼 が次世代に伝えようとしている価値観である。時間をかけ、経験を重ね、じっくりと自らを 築いてきた者として、グザヴィエは、教え子たちがよりたくましくなることを望んでいる。 グザヴィエの音楽的地平は広大で、果てしない。ベートーヴェンやブラームスやオッフェン バックやフォーレの作品のみならず、知られざる作品や新しい作品との触れ合いも、音楽家 グザヴィエの心を高ぶらせる——彼のレパートリーには近年、マリー·ジャエルとシャルロッ ト·ソヒーの作品も加わった。またグザヴィエは、ロストロポーヴィチの足跡をたどるかのよ うに、プロコフィエフ、ショスタコーヴィチ、デュティユー、ブリテンの協奏曲の演奏に情熱 を注いでいる。グザヴィエと彼の“相棒”マッテオ·ゴフリラー(1710年製)がオーケストラの 前に現れると、胸躍る冒険がはじまる。二度と同じ形を取らない極限の“危険”を冒している という感覚が、演奏の高揚感や、音と交感が生む至高の喜びと溶け合う。腱、息遣い、集中 力、そして弓から溢れ出る音楽。もはやグザヴィエはそれらを探し求めず、見出している……
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