LDV98-9
52 ショパン | シークレット・ガーデン 本盤の曲順はどのように決めたのですか? 作曲年順ではなく出版順に並べました。結果、大曲(二つの《バラード》、《ピアノ・ソナタ第 3番》、《幻想ポロネーズ》)の間に挟まれた“アンコール・ピース”的な曲が、句読点のような 役割を担うことになり、全体としてモザイクのようなプログラムに仕上がりました。私の父 が愛奏していた《幻想即興曲》を含めることにもこだわりました。ショパン自身は、この曲を さほど気に入っていなかったようです。おそらく、ベートーヴェンの有名な《「月光」ソナタ》 終楽章と《ピアノ協奏曲第5番》からの公然たる借用は、ショパンの洗練された趣味からす れば、あまりに露骨だったのでしょう。中間部がほぼ未完な印象を与えるという点でも、不 思議な作品です。私自身は、ためらいなく装飾音を加えています。モーツァルトの幾つかの 協奏曲の緩徐楽章では、譜面上で主題がフィオリトゥーラ[旋律に付される細やかな装 飾]なしに回帰する場合、装飾を付けますよね。それと全く同じです。ショパンへの侮辱だと は思いませんし、かえって彼も喜ぶはずです! ショパン作品には膨大な数の録音が存在しますが、影響を受けた演奏家はいますか? サンソン・フランソワ、アルトゥール・ルービンシュタイン、ディヌ・リパッティによる《ピアノ・ ソナタ第3番》の録音を聞いて育ちました。当時、この曲は《「葬送」ソナタ》と比べて演奏さ れる機会はごく稀でした。その後に私は、亡きフー・ツォン先生のもとでショパンをうんと学 びました。先生は、ショパンの音楽、とりわけマズルカの独特な表現をより深く理解するた めに、ポーランド語を学ばれたのですよ!
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