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51 ジャン=フィリップ・コラール — ビルケント交響楽団 — エミール・タバコフ そもそも、このアルバムをトルコで録音することになったのはなぜですか? トルコ、特にビルケント大学で何度も演奏したことがあるのです。ロシア系移民たちがビル ケント大学で教えていたため、かつてはビルケント交響楽団のメンバーの9割がロシア系 でした。誠実な音楽づくりが魅力で、楽員たちの心はスラブ特有の情熱にみなぎっていまし た。まだリリース前ですが、同じくトルコで、私にとっては二度目となるラフマニノフの協奏 曲全曲録音も行いました。ブルガリア出身の指揮者エミール・タバコフとも意気投合し、素 晴らしい思い出となりました! この協奏曲が演奏者に突きつける何よりの“難所”は、どこでしょうか? 全3楽章の中で最も骨が折れるのは、やはり終楽章〈アレグロ・モデラート〉でしょう。ピア ノと管弦楽の音量のバランスや、この楽章がソリストに要求するヴィルトゥオジティゆえ に……。とりわけ、あの長大なアルペッジョを精巧に奏でなければなりません。

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