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37 ミシェル・ダルベルト 果たしてこれは、ヴィルトゥオジティの唯一の定義だろうか? エミール・リトレの『フランス語辞典』[以後、『リトレ』]は、控えめに言っても、私たちを混乱さ せる。なぜならヴィルトゥオジティという語の意味は、古典主義時代末期から燦然たるロマン 主義時代までの200年のあいだに変化を遂げたからである。 『リトレ』によれば、ヴィルトゥオーゾとは「腕が立つ人」であり「特定の分野には限られない」 。この項目は、続いてディドロの『ラモーの甥』の一部を引用し、「“virtus”という語の意味を“ 力”から“才能”へと変化させ、“virtuose”という語を用いるに至った(14世紀)ローマのイタリ ア人たち」に言及している。そして数行先で、作家が「機知に富む才人、優れた文士、ヴィルト ゥオーゾ」と定義されるとき、私たちは混乱することになる。最後に『リトレ』は、「音楽にもヴィ ルトゥオジティにも重きを置く、女性歌手用の作品」に言及している。

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