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42 モダン・タイムズ 本盤は、まだ結成10年に満たない若き室内アンサンブルにとって、重要なステップとなるは ずだ。トリオ·パントゥムの前方には、このさき歩むべき道が幾つも伸びている。そして彼ら は、今後もピアノ·トリオという共通の冒険を続けていくつもりだ。とはいえ3人は、室内楽や 管弦楽の分野において個々に経験を積むことも厭わない。ピアノ三重奏団が従うべき規律 は弦楽四重奏団のそれと完全に軌を一にしているわけではなく、それぞれの楽器の特性を 考慮することが肝心であるからだ。 「私たちは、個々のプロジェクトや別の演奏パートナーとのプロジェクトを発展させること によって、前進することができます。ひいてはそれが、私たちにとって最も重要であり続ける トリオとしての活動を豊かにします。大切なのは、つねに同一の芸術的探求を共有すること なのです」 ——この岡田の言葉は、彼らの力の源泉である開かれた精神と堅い結束を映し出して いる。

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