47 クレマン·ルフェーヴル ルフェーヴルが招かれたフランスの音楽祭やコンサート・ホールの数は年々増加している。 これまで、ルーブル美術館オーディトリウムやラジオ・フランス・オーディトリウムのほか、ラ・ ロック・ダンテロン、リヨン(オペラ座)、メス(アルスナル・ホール)などで演奏しており、ラ・コ ート=サン=タンドレでは、2024年にベルリオーズ音楽祭の一環で、ラヴェルのピアノ独 奏曲全曲と2台ピアノのための全作品をフィリップ・ビアンコーニと協力し演奏。2023年に は、名高いリサイタル・シリーズ「ピアノ5エトワール」シリーズに登場しリエージュ・フィルハ ーモニー・ホールへのデビューを果たした。このほか、ダブリン、北京、ブリュッセル、ベルリ ン、アムステルダム、ギリシャ、ポーランド、スイス、日本などで演奏を披露。ブラジル・ツアー では、ブラジル交響楽団およびミナスジェライス交響楽団と共演し、すでにロイヤル・リヴァ プール・フィルハーモニー管弦楽団やフランス国立管弦楽団、ギャルド・レピュブリケーヌ管 弦楽団、メス国立管弦楽団との共演を通して積んでいた協奏曲の分野での経験を広げた。 充実したコンサート活動と並行して、パリ国立高等音楽院での教育活動にも力を入れてい るルフェーヴルは、2023年から同音楽院にてマリー=ジョゼフ・ジュードの助教を任され ている。演奏芸術の継承や次世代の育成に熱心なルフェーヴルは、精力的にマスタークラ スを開催してもいる。 シューマン、ショパン、フォーレ、ラヴェル、ラフマニノフ、スクリャービン……いかなるレパー トリーにおいても、ルフェーヴルの誠実で的確な演奏は、人びとの知性と感情を等しく揺り 動かす——その演奏は、絶えず一新される音楽表現の中で、優しさと不屈さ、夢想とエネ ルギーを同居させる。高潔な言語を意のままにするルフェーヴルは、その指先に詩情をまと っている。
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