46 コン•エレガンツァ 音の内奥に宿る詩情 もしも詩人と呼ばれるにふさわしい音楽家たちが徒党を組んだら、クレマン・ルフェーヴ ルは同世代を代表し、その旗手となるだろう。彼はロン=ティボー国際コンクールで入賞 した2019年に、その真摯な人となりと詩的なセンスによって、パリで広く注目を集めた。 これに先立つ2016年には、ジェームズ・モットラム国際ピアノ・コンクール(マンチェスタ ー)で第1位および聴衆賞に輝き、すでにイギリス海峡の向こうで名を上げていた。 この2つの快挙は、10歳でパリに拠点を移して以来の彼の歩みを新たなステージへと導く ことになった。ルフェーヴルは、同地のビリー・エイディのもとで音楽芸術の基礎を固めた のち、ジャン=ミシェル・デイエとオルテンス・カルティエ=ブレッソンのもとで研鑽を積み、 パリ国立高等音楽院にてロジェ・ムラロとイザベル・デュビュイに師事した。さらに、クレー ル・デゼール、アラン・プラネス、ピエール=ロラン・エマールの薫陶も受けた。これまでルフ ェーヴルは、バンク・ポピュレール財団、サフラン財団、ソシエテ・ジェネラル音楽メセナから 賞や援助を授けられている。
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