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29 クレマン・ルフェーヴル 心理状態… アレクサンドル・スクリャービンの音楽世界にどのように足を踏み入れたのですか? クレマン・ルフェーヴル:スクリャービンの音楽は、幼少期から私の心に根を下ろしてきまし た。幼い頃、兄が《練習曲》op.2-1を演奏するのを聞き、彼の音楽と出会ったのです。私は、ス クリャービンの独特なピアノの響かせ方と、種々の音域や振動や共鳴の相互作用に心惹か れました。私の指は、かなり早い時期に彼の《ソナタ第3番》に接し、その後、より演奏機会の 少ない曲にも触れるようになりました。とりわけ即興曲にすぐさま魅了され、その出会いが、 スクリャービンの初期作品を集めたアルバムの制作へと私の背中を押しました。そのうえ私 は、初期作品の帰結である《幻想曲》を深く掘り下げたいと、長らく望んでいました。飽くな き探求を続けたスクリャービンに魅せられた私は、彼の全作品にも目を向けました——そ の1曲1曲は、彼の様式的進展のステップの一つであり、彼が到達を夢見ていた絶対的なる ものへと向かう歩みの一つなのです。

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