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47 ベアトリス·べリュ 本盤のプログラムでは、パプスト編曲によるチャイコフスキーの《眠れる森の美女》、アゴ スティ編曲によるストラヴィンスキーの《火の鳥》と、バレエ音楽が目に付きます。舞踊は、 どの程度まで本盤のインスピレーションの源の一つとなったのでしょうか? 私は最近、トップ・フィギュア・スケーターたちが一堂に会するスペクタクルに出演しました。 私がピアノ伴奏を担当した曲の振付の一つは、《火の鳥》をもとにしたものでした。彼ら氷上 のダンサーたちのおかげで、私は、《火の鳥》の音楽にどっぷりと浸かり、その動物的とでも 言えるような側面や、パルス(律動)や、リズムの変化や、[カスチェイ王をめぐる]凶悪な要素 を感じ取ることができました。踊り手の身体を支配する熱狂は、このバレエのためにストラヴ ィンスキーが作り上げた先例のない音楽言語をあらわにします。それを直(じか)に舞踊に 触れながら体験でき、胸が躍りました。

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