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44 アブラカダブラ どうやら貴方も、ティム・バートンと同様、奇妙で不思議なものを好み、プリンセスよりも魔 法使いに惹かれているようですね。 私が魔法使いに興味をそそられるのは、彼らが型破りだからです。彼らは、私たちには思い も寄らないことを考え、私たちには見えないものを見ています。彼らが手中に収めている力 や知識は、大きな責任を伴っています。つまり彼らは、絶えず善悪の選択を迫られており、彼 らの道徳的な価値観は、つねに試されています。それゆえに私は、魔法使いに惹かれるの です! “魔法使いの弟子”のような人間味のある“憎めない”人物にスポットライトを当てたのも、 そのためですね? その通り。彼が不器用だからです。彼は慢心と好奇心ゆえに、人間的なミスをします。彼は師 匠の不在時に自分の魔法を試すわけですが、その結果はもちろんご存じですね。このストー リーは、編曲という行為そのものに通じているように思えます。編曲は、作曲者の許可なし に作品に手を加えることに他なりませんから……。しかもデュカはもうこの世にいないので、 彼の音楽をピアノ用に編曲しようとする私の熱意を阻むことはできません!

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