52 バッハ | フランス組曲全集(BWV812-817) 装飾音については、どうお考えですか? バッハは、楽譜上に数多くの装飾の指示を残しています。しかしながら、リピート部は記譜さ れていないため、どのように旋律線を“飾る”かは演奏者次第です。これは、チェンバロの世界 では自然に実践されていますが、ピアニストには馴染みが薄い慣習です。しかし、ピアノでは 強弱や声部の差別化によっても変化をつけることができるため、必ずしも沢山の音符を加 える必要はありません。とはいえ私たちは、この装飾の概念を理解し、チェンバロ奏者たちの 装飾法からインスピレーションを得るべきでしょう。私は、数人のチェンバロ奏者のもとで学 びました。彼らを模倣しようとはしませんでしたが、大きな影響を受けました。知識と直観の あいだに適切なバランスを見出すことが重要です。装飾には多様な可能性がありますし、演 奏するたびに装飾が変わる可能性もあります。
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