51 セドリック・ペシャ 声楽性も、舞踊と同等に重要な要素でしょうか? まず想い起こすべきは、バッハの数々のカンタータやミサ曲に代表されるように、彼が器楽 曲よりも声楽曲を多く書いたという点です。さらに、今日に伝わる複数の証言によれば、バッ ハは生徒たちに、できる限り歌うように鍵盤楽器を演奏するよう求めました。私自身もピアノ でバッハの音楽を演奏する際に、この声楽性を際立たせるよう努めています。私が本盤の録 音で使用した楽器の音色は、よりモダンなスタインウェイに比べるとやや輝かしさを欠いて いるかもしれませんが、声楽性の点では非常に役に立ちました。なぜなら、今日の楽器では 得がたい音の持続と特異な性質の響きを手にできるからです。特定の舞曲において、よりピ アニスティックな演奏を展開せざるをえない場合に、まさに“歌”を前面に押し出したいと思 いました。
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