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47 セドリック・ペシャ フランス組曲との出会いや、この曲集に対して初めて抱いた感情を覚えていらっしゃいま すか? フランス組曲との出会いは12歳か13歳の頃で、すぐさま興味をそそられました。フランス組 曲は、パルティータやイギリス組曲よりも簡潔ですし、各曲がリピートを伴うので、私にとって 創造性を育むための最高の“遊び場”の一つとなりました。そのおかげで私は、ごく若い頃か ら、リピートのさいは決してそのまま繰り返さないこと、2回目にはそれぞれのフレーズに1 回目とは異なる光を当てることの大切さを心に刻みました。しかも、教育用に作られたフラン ス組曲は、バッハが手がけた最も心に染みる作品の一つでもあります。他の壮大な曲集と比 べると、指への技術的な要求は低く、知的構築性の点でも、さほど複雑な作りではありませ ん。フランス組曲は、謙虚な演奏を重んじ、大仰な受けねらいを捨て去るよう、私たちを促し ます。この親密な音楽に、私たち奏者は全身全霊を捧げなければなりません。そしてフランス 組曲には、作曲者バッハが教育的目標とした、指と頭と心の育成のための手立てが詰まって います。

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