1世代違いのガブリエル·フォーレとカロル·シマノ フスキは、同時代を生きた。2人の作品は、おのおの 極めて独創的でありながら、時流にも乗っていた。 やがて20世紀への転換期に、ロマン主義の最後の 息吹が霧散しはじめると、2人はモダニズムを牽引 する新機軸とは一線を画しつつ、もっぱら独自の作 風を真摯に追求した。フォーレとシマノフスキに面 識はあったのだろうか? それを裏付ける資料は 一切残されていない——本盤においてエヴァ·ザヴ ァロは、2人のヴァイオリンとピアノのための作品を 並置し、彼らの“対話”を促している。ピアノ奏者クレ マン·ルフェーヴルとタッグを組んだザヴァロは、“ 夜”をテーマに、フォーレとシマノフスキの妙なる音 世界への扉を開く。
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