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65 テオ・フシュヌレ テオ・フシュヌレ 詩情ゆたかな鳥 音楽は、テオ・フシュヌレの言語である。彼が自己や人生について語る時、 おのずと彼のもとにやって来る言語だ。そしてテオは——実兄ピエール いわく——鳥である。テオは、時として黙し、しばしピアノから離れること がある。それは、彼が何らかの現実的な事柄や思索に気を取られている からではない。彼に取り憑いた音楽が、彼の内なる世界で生き続けてい るのだ。花開き、人生の良きものものから滋養を得た音楽は、彼が鍵盤 のもとに戻れば、すぐに溢れ出す。

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