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47 ウィレム·ラチュウミア 20世紀音楽に造詣が深いあなたから見て、ヴィラ=ロボスのピアノ書法のルーツは何で あると思われますか? 彼の幾つかの作品が、ドビュッシーとストラヴィンスキーから影響を受けていることは明らか です! その好例が、アルトゥール・ルービンシュタインがアンコール曲として好んで弾いて いた《道化人形》です。この曲の目が回るほど高速なテンポは、《ペトルーシュカ》のピアノ書 法の幾つかを思い起こさせます。しかし、ヴィラ=ロボスの書法を特徴づける奔放なヴィルト ゥオジティは——ちなみに彼の最初の妻はピアニストでした——、ギターの奏法とのかかわ りを示唆してもいます。 ヴィラ=ロボスは、ギターをこよなく愛していました。彼は、ピアノのために和 音やアルペッジョを書くさいにも、ギタリストの演奏を想像していました。だか らこそ彼は、新たな鍵盤書法を生み出すに至ったのです。

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