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45 ミシェル・ダルベルト いつごろリストの作品と出会ったのですか? リストの音楽と出会ったのは学生時代ではありません。ヴラド·ペルルミュテール先生のク ラスでは、リストは主要な作曲家ではなかったのです。私が14歳か15歳だったとき、ある 生徒がリストの協奏曲を練習していたのですが、そのときペルルミュテール先生が口にし た、やや軽蔑のこもった言葉を今も鮮明におぼえています――「ショパンの協奏曲より、ず っと易しいよ!」 先生にとってショパンが重要な作曲家の一人であったことは言うまでも ありません。私自身はさほど頻繁にショパンを弾きませんが、それはおそらく、狂気を表現 し、しきたりを“爆破”しうるリストとは異なり、ショパンがやや“型にはまった”作曲家のよう に感じられたからだと思います。言うなれば、ショパンの音楽では身震いが生じ、リストの 音楽では大地震が起こるのです!

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