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48 フォーレ | チェロとピアノのための作品(全曲) フォーレへの個人的な思い入れについてお聞かせください。 グザヴィエ・フィリップス : 私の幼少期は、フォーレの音楽とともにありました。両親がフォ ーレのピアノ作品を連弾していましたし、家ではいつも彼の音楽が流れていました。チェロの ための小品は、いずれも長年にわたって私が親しんできた音楽です。たとえば子どもの頃、私 は休暇中にノルマンディーの教会でよく《エレジー》を弾いていました。二つのチェロ・ソナタ を演奏するようになったのはもう少し後で、特に第2番をより頻繁にコンサートで取り上げ ています。第2番の第2楽章は《エレジー》を彷彿させます!——このように小品と晩年の作 品を結びつける“糸”を見出すと、興奮します。 セドリック・ティベルギアン : モーツァルトやバッハについて聞かれても、何を初めて弾いた のか思い出せないのですが、11歳のとき初めて弾いたフォーレの曲は鮮明に覚えています。 《舟歌 第4番》で、ご褒美を貰ったような気分でした! しかも自分で楽譜を買いに行きま した。ベートーヴェンにかんしても同様のエピソードがあります。私はベートーヴェンの《ディ アベッリ変奏曲》とフォーレの『夜想曲集』を弾きながら、新型コロナ・ウイルス感染拡大中 のロックダウンを乗り切りました。二人が私にとってどれほど重要な作曲家であるかがお分 かりいただけるでしょう。とはいえ、フォーレがチェロとピアノのために書いた作品にかんして は、グザヴィエのように長年にわたって弾き込んできたわけではありません。幼い頃に幾つか の小品を兄弟と一緒に弾いたことがあるだけで、その後は《チェロ・ソナタ第1番》を一度弾 いたきりでした。第2番は今回のレコーディングのために新たに学んだ曲で、準備にはありっ たけの力を注ぎました。
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