LDV17

誠実、洗練、感性こそ、エルメス四重奏団の演奏を最も巧みに表す言葉だろう。 彼らのこうした美点は、すでに早くからミゲル・ダ・シルヴァ、ラヴェル四重奏団、イザイ四重 奏団らに見出され、さらにエバーハルト・フェルツ、アルテミス四重奏団、そしてアルバン・ ベルク四重奏団のメンバーのもとで徹底的に磨かれた。 リヨン国立音楽院で結成されたエルメス四重奏団は、結成からたった一年後の 2009 年にリ ヨン国際室内楽コンクールで第 1 位に輝き、聴衆賞・ SACEM 賞も同時に受賞。コンクールで はとりわけ、アンリ・デュティユーの《夜はかくの如し（ Ainsi la nuit ）》における演奏が高く評 価された。 2011 年にも、権威あるジュネーヴ国際コンクールで同曲を披露し、優勝。同年、 モーリス・ラヴェル国際音楽アカデミー賞ならびにシャルル・ウルモン財団賞を授与された。 こうして目覚ましい実績をあげたエルメス四重奏団の才能は、 2012 年 11 月、さらに広く認め られることになる。アメリカ音楽界への登竜門と言われる、名高い「ニューヨーク・ヤング・コ ンサート・アーティスト国際オーディション」にて、世界中の 300 以上の候補者の中から選 ばれ優勝を果たした。 若きメンバーたちの豊かな感受性と高い向上心によって、エルメス四重奏団は近年、並々 ならぬ成熟を遂げ、極めて前途有望なキャリアを歩み始めている。今後は、アメリカ（ 2013 年秋に続き、 2015 年春）、中国（ 2014 年 6 月）、日本、エジプトでの海外ツアーに加え、ロッ ケンハウス音楽祭、ソー公園オランジュリー音楽祭、ラジオ・フランス＝モンペリエ音楽祭、 モンテカルロ春の芸術祭、ベルリン・クレッシェンド音楽祭、ルーブル美術館オーディトリウ ム、パリ・シテ・ド・ラ・ミュジークなど、フランスやヨーロッパ（イタリア、ドイツ、イギリス、ベル ギー）の多くの音楽祭／ホールで演奏を予定している。 こうした数々の機会を通じて、彼らは華麗で人間味あふれる弦楽四重奏曲の レパートリーに寄せる情熱を伝えていくことだろう。 35 エルメス四重奏団