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32 シューマン: 3 つの弦楽四重奏曲 作品 41 ベートーヴェンとは異なり、シューマンはボーイングを明記していませんが、大きな一息 を示すかのような長いスラーを書いていますね。こうした指示を整理し解釈するために、 どのような事 をなさっていますか?メンバーそれぞれ、あるいはクァルテットとして・・・ 今回のレコーディングで私達は、極めて独自の“語り”を展開しています。そこで音楽が解 き放たれるわけですが、こうした自由はうまくコントロールされる必要があります!作品 41 は 非常に「ルバートな」音楽であり、極めてドイツ的な力強いロマン主義に根を張っています。 音符を前にして、膨大な解釈の作業を求められる作品ですし、最終的に4人全員の意見が 一致せねばなりません!日々 4 時間、全員で練習をしていますが、一方でシューマンの音 楽への直感的なヴィジョンを持つことも必要とされます。最初に作品を弾いてみた後に、全 員で意見を出し合うのですが、やがてそれは大きな議論に発展していきます!大抵の場 合、改善すべき点や現状維持すべき点に関して、皆の意見が一致し、そうした点は全て自 然に修正されていきます。アルテミス四重奏団やイザイ四重奏団のメンバーからのアドヴァ イスもまた、私達にとって極めて貴重です。さらに、シューマンの他の多くの作品、特に弦 楽四重奏曲と同時期に書かれた作品を聴くようにしています。そうすることで、シューマン の音楽の深みや彼特有の表現に身を浸すことができますから。
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