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30 シューマン: 3 つの弦楽四重奏曲 作品 41 シューマンは弦楽四重奏曲に着手する前に、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンの 弦楽四重奏曲を研究しています。さらにシューマンは、クララが演奏旅行に出ていた間、 対位法とフーガの技術、とりわけバッハの手法を学ぶに十分な時間を確保できました。 ベートーヴェンからの影響は、調性の関係や旋律モチーフなど、様々な次元で如実に表 れています。より広い視点から言えば、ソナタ形式を忠実に、かつアカデミックに用いてい る点で、形式に古典派の影響がみられますし、実に均整のとれた主題の書法にも、同様の 指摘ができます。シューマンがバッハから霊感を得ているとすれば、それはとりわけ、早くも 1820 年代にバッハを再発見していた友人で作曲家のフェリックス・メンデルスゾーンのお陰 でしょう。
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