LDV14
38 CD はスケルツォ 4 番と舟歌で終わっていますが、この 2 曲はあなたがリサイタルでよく弾か れる曲ですね。 私は 4 番のスケルツォに深い情熱を感じています。この曲はそれだけでひとつの世界を成 しています。ここでも、転調や和声や、まるで常に即興演奏をしているような錯覚に、感嘆 するばかりです。しかしこの曲は大変によく構成されていて、分析すると、完璧に古典的な 骨格に基づいていることがわかります。しかし、曲が流れるにつれて今まさにつくられ壊さ れていくような感じを受け、当惑する人もいます。そういう意味ではこのホ長調のスケルツォ はとてもドビュッシー的で、中断されたり、幻想的な面や、軽く速くきらきらとしたアラベスク のような形があります。例えばドビュッシーの『金色の魚』のような曲と比べられずにはいら れませんね。ドラマ性のある激しいスケルツォが 3 曲続いた後で、最後に、イタリア的な光と 夢のような軽さが聴かれるのです。中間部のトリオもなんとすばらしいんでしょう!ここです でに『舟歌』とほとんどおなじテンポで、一種の舟歌が聴こえてきます。 ショパン
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